GIANT TCR ADVANCEDが4年振りのフルモデルチェンジ – 2016年モデル

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世界最大規模の自転車メーカー、GIATN(ジャイアント)。そのジャイアントのオールラウンド系ロードバイクモデルが『TCR』シリーズだ。フレーム素材の違いにより『TCR ADVANCED PRO(カーボン)』『TCR ADVANCED(カーボン)』『TCR SLR(アルミ)』『TCR(アルミ)』と、幅広いモデルラインナップを持つ。

トップエンドのレースも使用されるTCR ADVANCED SLの60万円から、ロードバイク初心者向けモデルのTCR 0の11万5千円まで、幅広い価格とニーズへ対応する(いずれも2015年モデルの国内販売価格、税抜)。

2016年モデルでは、TCRシリーズのカーボンモデル『TCR ADCANCED SL』『TCR ADVANCED』がフルモデルチェンジを果たし、アルミモデル『TCR』にも新型である4700系ティアグラを搭載する。

TCRのカーボンモデル『TCR ADVANCED』がフルモデルチェンジ

初代TCRが登場したのは1997年。当時は珍しかった、フレームの前三角形が傾斜を持つ“スローピングデザイン”が話題となり、以降の他メーカーが発売したモデルにも影響を与えた。

多数の有名メーカーへOEM提供も行なう自転車界の、正に巨人、ジャイアントが放つオールラウンドロードバイクはどの様な進化を遂げているのだろうか。

オールラウンドロードバイクとは、文字通りあらゆる状況下において高い他応力を持つ事を設計思想の根本へ持つモデルだ。それ故、軽量さ・快適さ・操作性能・エアロ性能と、様々な要件が求められる。

軽量性の向上、フレームセットで181gの軽量化

新型のTCR ADVANCEDはフォークは、フレーム素材をこれまで同様、各社のハイエンド機に採用される“T-800”グレードを採用。世界的に評価の高い、ジャイアントのカーボン加工技術を用いた手作業により製造される。

フレーム形状は全体的な見直しが図られ、フォーク単体で30g、フレームセットで181gもの軽量化が行なわれている。これは、力強い四角さが特徴的な“MegaDriveダウンチューブ”は、“OverDrive2”コラムと、“PowerCore”BBシェルと組み合わさる事によるものだ。

ホイールには、リムやハブといったパーツ類もOEM製造するジャイアントが自社開発した、新型のカーボンクリンチャーホイール“SLR ホイールシステム”が採用される。新型TCRはホイールがセットの状態で最適な走行性能を発揮する様開発されているという。SLR 0ホイールセットの重量は前後合わせても1,331gと20万円前後クラスのカーボンクリンチャーホイールの中でも軽量な部類だ。

新設計のフレームと一体化したインテグレーテッドシートポスト“Variantシートポスト”と併せ、TCRは納車直後のスペックでも即レースで一線級の実力を発揮する、高い戦闘力を持った一台へと生まれ変わっているのだ。

ライバルを凌駕するペダリング剛性比

ジャイアント・グローバルサイトの情報によると、競合モデルとの比較テストにおいても、フレームセット単体のペダリング剛性・フレームセット+ホイールセットのペダリング剛性共に、最適な結果を出している。

比較対象とされたのは、いずれも各メーカーのハイエンド機として位置づけられる、カーボン製フレームのオールラウンドモデルへ、同じくカーボンのホイールをセットした5車種。

  • Giant TCR ADVANCED SL / Giant SLR 0 WheelSystem
  • Cervelo R5 / HED Ardennes Plus LT
  • SPECIALIZED Tarmac S-Works / Roval Rapide CLX 40
  • Trek Emonda SLR / Bontragar Aeolus 3 D3
  • Cannondale SuperSix EVO Black Inc. / Enve Smart 3.4
  • Scott Addict SL / Syncros RL 1.0

フレームセットを選び、それに見合うスペックのカーボンホイールを誂えてレースに望むというホビーレーサーが多いだろうが、この新型TCRならば、ツルシの状態でさえ既にライバルを圧倒する戦闘力を有する、自転車界の巨人が送り出すにふさわしいオールラウンドモデルなのだ。

ステージに応じて使用機材を変えるのがプロロードレースの世界だが、懐に余裕の無い中で最大限ロードバイクを楽しみたい、それでいて、レベルの高いレースを戦えるロードバイクが欲しいという場合には、この新型TCRは大いに食指を動かされる選択肢ではないだろうか。

エントリーグレードのアルミロードバイク『TCR』は新型4700系ティアグラ化

ライバル各社のアルミロードバイクのうち、エントリーグレードへ新型4700系ティアグラを搭載してくる中、ジャイアントTCRも同様に『TCR 1』へ新型のティアグラを搭載する。価格は2015年モデルの115,000円から8,000円アップの123,000円(いずれも税別)とされる。

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