1位:3年目にして勝利を掴み取ったアラフィリップ/フレッシュ・ワロンヌ(4/18)

アルデンヌ系クラシックの一つで、ラストの登り坂「ユイの壁」で勝負が決まるレース。このユイの壁は全長1.3km、平均勾配9.8%、そして最大勾配26%を誇る激坂だ。

フレッシュ・ワロンヌはモビスターのアレハンドロ・バルベルデが2014年〜2017年まで4年連勝してきたレースである。

最後のユイの壁でバルベルデがアタックして勝つ、というがここ数年ずっと続いていたため、今年は他のチームが揃って「モビスターをなんとかしないと勝ち目がない」とばかりに、モビスターのアシストを削るために、延々とアタックを繰り返す作戦に出ていた。

そうやってひたすらモビスターのアシストを削ったのはいいのだが、6人の逃げグループを放置しすぎていたのに気づき、慌てて集団がスピードをあげ、フィニッシュ地点まで残り1kmを切ってからギリギリで逃げを吸収し、メイン集団による最後の坂の勝負になる。

逃げメンバーの最後の一人を抜いた時点では、集団の先頭を率いていたのが、ロット・ソウダルのイエール・ヴァネンデルだった。

その後ろについていたクイックステップ・フロアーズのジュリアン・アラフィリップが、ヴァネンデルを抜いて先頭に出るが、いつの間にがバルベルデが、アラフィリップのすぐ真後ろに迫っていた。

毎年のパターンである。

バルベルデの勝利パターンだ。

しかし、今年は違った。

なんと、アラフィリップの登りのスピードに、バルベルデがついていけなかったのだ。そしてアラフィリッピはスピードをゆるめず、そのまま後続の選手たちを引き離し、見事に勝利を勝ち取った!

アラフィリップは、フレッシュ・ワロンヌで2015年、2016年、ともにバルベルデに敗れて2位だった。そのバルベルデにようやく、このフレッシュ・ワロンヌで勝ったのだ。

クラシックレースの面白さの一つが、この「毎年同じ勝負どころを走るからこそわかる、選手の成長」である。それを見せてくれたのが、この2018年のフレッシュ・ワロンヌであった。

いかがだろうか。今からでも遅くはない。春のクラシックレースを今一度振り返ってみると、その面白さが伝わってくるはずだ。

グランドツアーだけではない、ロードレースごとにそれぞれの物語がある。もちろん、見る人によって「何が一番面白かった」は異なってくるはずだ。今回のベスト3を参考に、ひとつでも興味を抱いていただければ幸いだ。

Text:cororon

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