ポイント4:敢闘賞も見逃すな!
また、仮に山岳賞を獲ることができなかったとしても、もう1つ、表彰台に登るチャンスが得られる特別賞がある。それは「敢闘賞(かんとうしょう)」と呼ばれるもので、その日最もチャレンジングで見るものを勇気づける走りをしてくれた選手に与えられる賞である。
たとえば、最後の1人になるまで逃げ続けた選手などは、この賞を獲得できるチャンスが大きくなる。
先に挙げた二人の選手、二ヴとサギフには、ぜひ、この敢闘賞を狙ってこの日、もしくは次の第3ステージを戦ってほしい。
ポイント5:必見!集団スプリント!
ゴールまで数キロメートル~十数キロメートルに近づいてくると、ついに逃げ集団がメイン集団に捕らえられることとなる。そして、いよいよこの日のクライマックス、「集団スプリント」に向けて、集団の中の緊張感が高まっていく。
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2017年ジロ 第2ステージの集団スプリント
スプリントの主役は当然、スプリンターと呼ばれる、加速力の高い大柄な選手たちである。しかし、彼らは自らの力だけで勝つわけではない。
トレイン、発射台、そしてチームワーク
彼らが最高のポジションで最高のスプリントをするためには、ゴール前数百メートルエースを運ぶ「トレイン」と呼ばれるチームの隊列が重要になる。ゴール前5キロメートルほどになると、各チームのトレインがいくつも連なっていく様子を見ることができるだろう。
ラストの直線での集団の時速は60km近くに達する。ここまでくると、空気抵抗がもの凄く、エースが全力スプリントをする100~200m手前まで、風避けとして前を走る「発射台」と呼ばれる選手が重要になる。
そしてそのような高速域においてトレインや発射台が機能するためには、チームでの繰り返しの練習や互いの信頼関係が欠かせないものとなる。個人勝負のように見えるスプリントでも、チームワークが重要になるのが自転車ロードレースという競技なのである。