特殊用途のケミカル類

これまで紹介した、チェーンオイルやパーツ用のグリス、チェーン用の洗浄剤、バイク全体の洗浄剤。この4つがあれば日常メンテナンスでは困ることはない。

加えて、メンテナンスを行う上であると便利なのが「摩擦増強剤」。カーボン同士の締め付けが必要な部位や、ボルトに使用する。

その名の通り、摩擦力を高めることで固定力を高め、固着も防げる優れものだ。

ボルト用には「パークツール TLR-1/2ネジ止め剤」や「LOCTITE ねじロック243」が挙げられる。路面による振動でガタつきやすいボトルケージや、ハンドルを掴むステムに使用すると事故防止となってオススメだ。

また、カーボン同士の滑り止めは必須品。カーボン同士は許容範囲最大の圧をかけても、金属同士より滑りやすくなる。

フルカーボンフレームのロードバイクでは、シートポストまでカーボンの物が多い。ステム・ハンドル、シートポスト・シートチューブが両方カーボンの場合、走行中に固定されているべきものがズレると重大な事故につながりやすいため、必ず塗布しよう。「FINISH LINE FiberGrip」「MOTOREX Carbon paste」などは鉄板品だ。

初心者が見落としがちな必須ケミカル

カーボン同士にケミカルが必要であると同様に、金属同士のケミカルも必需品だ。

©️PARKTOOL

金属同士の接点には「焼き付き」現象が現れることがある。これは摩擦熱で融着したり、削れた金属の破片が噛み合って外れなくなったりするものだ。これには十分な潤滑がない場合に起こりやすい現象なので、ケミカルでしっかり潤滑をしておこう。「PARK TOOL焼き付き防止剤」は防サビの効果もあるのでオススメだ。

これであなたもケミカル達人?

ケミカルは使用用途が細かく制限される製品も多く、難しい分野ではある。しかし、一度入手してしまえばまた問題が発生することも少ないだろう。

  • パーツクリーナーもしくはディグリーザー
  • チェーンオイル

上記2つに加えて、あると便利な物は以下の通り。

  • 水無し洗浄剤
  • コーティング剤やワックス
  • 摩擦増強剤
  • 汎用グリス
  • 特殊グリス(焼き付き防止剤)

これらがあれば、自分で行うメンテナンスで「何かが足りなくて作業が続けられない」なんてことはなくなるだろう。

車体を完璧に整備出来てこそ、ロードバイクの性能は発揮される。正しいケミカルを使用し、こまめなメンテナンスを心がけよう。

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