スポークパターンによる違いも・・・

スポークパターンによる組み方の違いもある。パターンは4種類あり、「イタリアン組み」「逆イタリアン組み」「JIS組み」「逆JIS組み」だ。

ロードバイクでは最も一般的な「イタリアン組み」

ハブ穴を外側へ出るスポーク(赤線)が進行方向にハブに巻き取られるような見た目

「イタリアン組み」は、自転車を左右どちらから見てもスポークがそれぞれ同じ位置に見える組み方。例えば、自転車をギアのある面から見たとして、3時方向のスポークと、反対側から見たときの9時方向のスポークが重なるイメージだ。

ハブ穴を外側へ出ているスポークが、ホイールの回転方向にならってねじれるように中心へ集約しているようにも見える。

ハブ穴を外側ヘ出るスポークは負荷に強く、そのスポークがホイール外周部を引っ張る形で力を伝えるため前進に有利な組み方だ。そのため、ロードバイクホイールにおいて最も一般的な組み方である。

ディスクブレーキ仕様に多い「逆イタリアン」

ハブ穴を外側へ出るスポーク(赤線)が進行方向と逆にハブに巻き取られるような見た目

「逆イタリアン組」は、イタリアン組の真逆と考えると分かりやすい。

イタリアン組では、ハブ穴を外側へ出ているスポークがホイールの回転方向にならってねじれるように中心に集約していたが、「逆イタリアン組」ではハブ穴を外側へ出ているスポークがホイールの回転方向と逆にねじれるように中心に集約しているように見える。

ブレーキ時に最も負荷への耐久性が必要な、ディスクブレーキロードバイクの前輪によく見られるスポークパターンだ。

ママチャリでも一般的な「JIS組」

スポーツバイクに限らず、自転車界において最も一般的な「JIS組」。

日常的な使用において、スポーツシーンほど負荷がないママチャリもこの組み方が多い。構造はスプロケットが装備されるギア面をイタリアン組、反対面では逆イタリアン組で組む方法だ。

前進時に強く負荷のかかるギア面での耐久性を保ちつつ、逆の面で後進方向への負荷に対する耐久力を上げている。そのため、スポーツバイクにおいてはピストバイクの後輪にも多く用いられる組み方だ。

奇抜さ重視?「逆JIS組」

自転車において特に強いメリットが得られない逆JIS組。そのため見かけることはほとんどなく、見た目にアクセントを取り入れる場合程度にしか採用されない。仕組みはスプロケット側を逆イタリアン組・反対面をイタリアン組で組む方法だ。

用途に合った組み方を

様々な組み合わせがあるスポーク。前輪後輪で異なる組み方をすればパターンはもっと複雑になる。しかし、用途・目的が明確であれば一番良い組み合わせもわかりやすい。

例えば、リムブレーキのロードバイクにおいて軽量化を目的とするのであれば、ラジアル組の前輪とタンジェント組のうち4本組(2クロス)でイタリアン組の後輪を組み合わせる。

自分にとっての目的・用途を明確にし、最適解となるホイールを探すのもまた、ホイールの選びの醍醐味だろう。

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