2位:意外な大物選手が優勝!/ミラノ〜サンレモ(3/17)
「モニュメント」と呼ばれる5大クラシックレースの中で、スプリンターが目指すワンデーレースがミラノ・サンレモだ。
しかし、今年このレースの勝者となったのは、グランツールで3つすべてで総合優勝の経験があるヴィンセント・ニバリ(バーレーン・メリダ)であった。
ニバリが勝負をかけるときに、大きな下りがはじまる直前にアタックをしかけ、一気に下りで引き離す、という戦い方をよくするのだが、今回もまさしくそのやり方だった。
フィニッシュまで残り6.5km。このレース最後の登りであるポッジオ峠の山頂1km手前のところで、ニバリが強烈なアタックをしかけ、単独先頭に躍り出る。
「エーススプリンター」達の読み合いがアダに
この時点で、集団の前に出てニバリを追いかけようとしたのが、ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガンや、チーム・スカイのミカル・クウィアトコウスキーだったのだが、エース級の選手ばかりが前方に集まったため、牽制が入りスピードが落ちてしまう。
自分が力をつかって前を逃げるニバリに追いついたとしても、ライバルたちを後ろに連れてきてしまえば、最後のスプリントで負けてしまうからだ。
結果として、他のチームの選手たちは全力で追いかけず、サガンのアシストであるダニエル・オスがあがってくるのを待って、メイン集団はニバリを追いかけて行く。だがニバリは速い。しかも得意な下り、なんといっても地元イタリアである。それでも、とうとうフィニッシュ前の直線で、メイン集団はニバリの背後に姿を現し、凄まじい勢いのスプリントが開始される。
スプリンター達の全力スプリントを背景に
ニバリは、フィニッシュまで残り50mの地点で、振り返ってその集団を確認する。そしてニバリは、正面を向き直り、そのまま両手をあげたのだ。
各チームのエーススプリンターによる全力のスプリントを背景に、ニバリはガッツポーズをしながらフィニッシュ!見事な優勝を飾った。
2位のミッチェルトン・スコットのカレイブ・ユアンとのタイム差はなかった。まさにギリギリのところで、スプリンターではないニバリが逃げ切って、ミラノ〜サンレモに勝利したのだ。