ポイント2:最初の山岳賞を手にするのは誰だ!?
ジロ・デ・イタリアを始めとする「ステージレース(2日間以上の日程で行われるレース)」には、通常の勝利以外にも、様々な名誉ある「賞」が用意されている。「山岳賞」も、その1つである。
ジロ・デ・イタリアでは「マリア・アッズーラ」と呼ばれる青いジャージを着用する権利が与えられる賞だ。本来であればその名の通り、山岳に強いクライマーたちが手に入れることの多い賞である。
しかし、そんな山岳賞ジャージを、この「最初のロードレースの日」においては、逃げに乗った選手たちに獲得のチャンスがある。たとえ彼らが、山岳には決して強くないタイプの選手たちであったとしても。
ポイント3:地元イスラエルのプロコンチネンタルチームの選手に注目!
山岳賞は、コースの途中にある「山岳ポイント」と呼ばれる地点を上位で通過した選手に与えられる得点によって決められる。その「山岳ポイント」には1級、2級…といったランクがつけられている。
ステージレースの序盤では平坦ステージが多く、あまり上位のランクの山岳は存在しない。5日の第2ステージも、最もランクの低い山岳ポイント(4級山岳)が1つあるだけ。この4級山岳が、この日はゴールまで77kmも離れた地点に存在する。
いくら、逃げ集団が最後まで逃げ切る可能性がほぼないとはいえ、ゴールまでこれだけ距離がある段階で追っ手に捕まえられる、ということもほぼない。よって、この4級山岳のポイントを巡る争いは、逃げに乗った数名の選手たちの中だけで競われる可能性が高い。
表彰台に立てる可能性があるということ、これはプロコンチネンタルチームの選手たちにとっては計り知れないほど大きな価値をもつ出来事である。
とくに、今回の開催地であるイスラエル出身の2人の選手、ガイ・ニヴとガイ・サギフ(いずれもイスラエル・サイクリングアカデミー所属)にとって、母国を走るグランツールの表彰台に自分たちが立つことは、生涯最大の名誉になることは間違いない。
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ガイ・ニヴ
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ガイ・サギフ
そんな彼らにとって、この日、逃げに乗ること、そして山岳賞ジャージを巡って全力の争いを行うことは、まさに至上命題であると言っても過言ではないのだ。
それ以外にも、ジロ・デ・イタリアの特別賞ジャージを着るという名誉を求める選手は非常に多い。彼らは、この日、小さな丘を巡って、熾烈な争いを繰り広げることになるだろう。
もしかしたら、彼らにとってこの日のゴールは、テルアビブではなく、ゴールまで77kmのこの地点なのかもしれない。
2017年ジロ初日で逃げに乗り、山岳賞を獲得したチェーザレ・ベネデッティ(ボーラ・ハンスグローエ)