剛性が高いとか低いってどういうこと?
剛性と聞くと「硬さ(硬度)」や「強度」のことだと思いがちですが、正しくは「力を加えられた物体の変形のしづらさ」を表す言葉です。変形しづらい物体の事を、剛性が高い(または大きい)と言います。
少し分かりにくいので、同じ太さ、長さのプラスチック棒とガラス棒があると想像してください。二つの棒の「剛性」「硬度」「強度」を比べてみましょう。
剛性
プラスチック棒 | 変形しやすい(剛性が低い) |
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ガラス棒 | 変形しづらい(剛性が高い) |
硬度
プラスチック棒 | 柔らかい(硬度が低い) |
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ガラス棒 | 硬い(硬度が高い) |
強度
プラスチック棒 | 折れにくい(強度が高い) |
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ガラス棒 | 折れやすい(強度が低い) |
ガラス棒と比べて剛性の低いプラスチック棒の強度は高く、剛性と強度は必ずしもイコールではないことが分かります。
剛性が高いロードバイクはたわみにくく、乗り手の力があまり逃げないので効率よく前に進むことができます。その反対に、剛性が低くなると力が伝わりにくく、効率的に進むことができません。
剛性が高いほどロードバイクとしては良いの?
剛性が高いことは早く走る上でメリットと言えますが、力が逃げにくいため体が負担がかかる、つまり疲れやすいとも言えます。実際、剛性の高いロードバイクは膝にくると言われることがあります。
例えば、竹刀と鉄パイプで地面を叩いた場合、地面との衝撃をよりダイレクトに体に伝えるのは剛性の高い鉄パイプです。鉄パイプだと、手がジーンと痺れて痛いですよね。もちろん竹と鉄ほどの違いはないでしょうが、ロードバイクは長距離を走る乗り物。体に加わる衝撃の違いは僅かでも、長時間積み重なることで大きな違いとなり疲れやすさに影響を及ぼします。用途や乗り手の好みによっては、剛性が高すぎないロードバイクが好ましい場合もあるようです。
まとめ
剛性が高いロードバイクは、漕ぐ力をより効率的に推進力へと変えることができます。しかし、すべての人にとって剛性が高いロードバイクが向いているとは言えないようです。