穴・溝・窪みは何のため?

各メーカーでサドルを選ぶ際、最も目立つモデルが縦長に穴のあいたサドルだろう。この穴は特に男性の陰部への負担を軽減するためにあけられたものだ。前傾姿勢をとったり長時間サドルに座っていると陰部が圧迫され痛みが生じてしまう。そこで穴をあけることで圧迫を下側へ逃がす効果がある。

しかし、穴あきサドルで生じるデメリットもある。その1つが陰部以外への負担が大きくなってしまう可能性があることだ。特にこの穴の縁の部分に会陰部が接触し、痛みが生じてしまうこともある。

もう1つは、リアタイアから巻き上げられる泥や雨天時の水がサドルの穴から入ってきてしまうことだ。これはまあり「痛み」には関係ないが、ライド中の快適性は損なわれてしまうだろう。

ANTARES 00 VERSUS EVO

参照:ANTARES 00 VERSUS EVO(fizik)

以上のようなデメリットを改善しながら、陰部の負担を軽減するために、穴ではなく溝や窪みをサドル中央に施したモデルも販売されている。中には、穴をあけることでサドルの強度が損なわれることを理由に、穴あきタイプを製造せず、溝・窪みタイプのみにこだわるサドルメーカーも存在する。

クッションの厚み

より厚いクッションを使用することは、お尻の痛みを軽減するための有効な手段の1つだ。しかし、お尻の痛みを軽減するためであって、必ずしも快適なライドのためではない。ライドの快適性を、ペダリングのしやすさとした場合、厚いクッションではポジションが安定しずらくなってしまうからだ。

厚いクッションにより、サドル上のポジション(お尻)が動いてしまい、ペダリングやハンドリングに力が入れにくくなってしまう。より速い走りを求める場合は、そうした点への考慮が必要になるだろう。

自分に合ったサドルを選ぼう

多くのサドルメーカーでは、オンライン上で自分の体型や自転車の乗り方、クッションの柔らかさの好みなどを選択すると、自動でおすすめのサドルを提案してくれるサービスも提供している。しかし、1万円後半から4万円を超えるモデルも販売されているサドル。せっかく購入するのであれば、自分に「ベストフィット」するモデルを選びたい。

サドルを店頭にディスプレイし販売しているお店では、試乗用のサドルやレンタルサドルを用意している場所もある。また、お店では各メーカーの各モデルについての特徴も詳しく聞くことができるだろう。

是非、自分自身の特徴とサドルの特徴の両方を知った上で、自分に合ったサドルを選んでほしい。

【初心者向け】ロードバイクを始めたい!でも何からするべき?

【初心者向け】見極めよう!自分に合ったロードバイクショップの選び方と4つのポイント

1 2