サイクルキャップと呼ばれる自転車乗り専用の帽子がある。以前その特徴と歴史についてご紹介する記事をお届けしたが、今回はその第2弾として、「サイクルキャップのメリット」についてご紹介していく。
サイクルキャップは時代遅れ?
ヘルメットが登場しその着用が義務化され、様々な機材の開発が進んでいる現在。ヘルメットが無かった時代に比べると、レース中にサイクルキャップを着用するプロ選手の数が減少してしまったことは、否定できない事実だ。
しかし、サイクルキャップは時代遅れの産物なのか? 答えは「No」だ。
その証拠に、サイクルキャップを被ったプロ選手がフィニッシュラインを1着で通過することだってある。生活をかけてレースに挑む彼らがサイクルキャップを被るのには、サイクルキャップに何らかのメリットがあるからだろう。ではそのメリットとは何か、ご紹介する。
サイクルキャップのメリット
本記事では、サイクルキャップのメリットを5つ、ご紹介する。
雨と汗のストッパー
他の帽子と同様にサイクルキャップにもツバが付いている。このツバが、ライド中に役立つ時がある。その最たる例が、「雨よけ」としての役割だ。
ヘルメットの有無に限らず、このツバがあることで雨が目に垂れてくるのを防ぐことができる。ロードバイクでの走行など、車道をある程度の速度で走る場合、1,2秒ほど視界が遮られるだけでも命取りになり兼ねない。そしてもちろん、ツバやキャップ自体には、雨だけでなく頭から垂れてくる汗を吸収する役割もある。
快適性だけでなく安全性にも役立つアイテムなのだ。
プロレースでの着用が少なくなった現在だが、特に雨天時のレースでこのサイクルキャップを被った選手を見かけることができる。雨の多かった2021年のジロ・デ・イタリアではそんな光景も多く見られた。
日差し避け
ヘルメットや頭から垂れてくる雨や汗を、阻止・吸収する役割のあるツバには、日差しを遮ってくれる役割もある。眩しさというのは思いの外、疲労を生み出してしまうものだ。ツバを下側に向ける事で視界への日差しを遮断してくれる。
日差しなど、視界の上方向からの眩しさには、サイクルキャップ。路面の照り返しなどの視界の内側からの眩しさにはサングラス。眩しさ対策へはこの2点セットを揃えて、ライドに出掛けよう。
防寒具としてのサイクルキャップ
サイクルキャップには他のウェア同様、体温調節をする役割もある。特に冬場などの寒い時期に効果を発揮する。昨今、換気性能に優れたヘルメットが登場しているが、この「優れすぎた」換気性能は冬場などの寒い時期には、かえって快適さを損なう原因になることもある。簡単に言うと、冬場の冷気がヘルメットの中をビュンビュン通り抜けて行くということだ。
そこで頭部を暖かく保つために役立つのが、サイクルキャップだ。サイクルキャップを被ることで、快適性を保ちながら、ヘルメットでしっかり安全性も維持できる。厳しい寒さの中でのライド用に、より保温性を高めた冬用のモデルも発売されている。
逆に、夏場の炎天下でのサイクルキャップの使用は、熱を閉じ込めてしまうため、適していない場合もあることに注意が必要だ。
虫から頭を守る・・・、「頭から虫さん達を守る」
都市部だけでなく、田園風景の広がる道でのサイクリングも楽しみたい。しかし、のどかな風景の中を走っているとヘルメットの中に、いつのまにか小さな虫さん達を連れて来てしまった、ということも起こり得る。
ヘルメットの穴に入り込んだ虫さん達が、髪の毛に引っかからず、また外に出られるようにするのもサイクルキャップの役割、、、かもしれない。
とは言いつつ、でもやっぱり機能性だけじゃない