クリートとビンディングシューズの違い

「クリート」はシューズをペダルにはめ込むためのパーツ。ボルトでクリートをシューズに予め固定し、クリートの付いたシューズを履いて、自転車に乗る際にペダルにシューズ(クリート)をはめ込む。従ってクリートとビンディングシューズを1組として、SPD-SLとSPDそれぞれの違いを解説していく。

クリートの可動域

SPD-SLとSPDでは、ペダルに装着した後のシューズの左右の可動域に差が出る。SPDは2本のボルトでクリートとシューズを固定するため、ペダルに装着するとシューズの位置はほぼ完全に固定され動かせないようになっている。一方、SPD-SLは3本のボルトでクリートとシューズを固定しており、クリートのモデルによっては左右に2度・6度の遊びが生まれる構造になっている。

参照:Shimano

この角度が大きいほど足首を柔軟に動かすことができ、膝関節に対する負荷を軽減できる。この「遊び」のことを専門用語では「フローティング(Floating)」と呼ばれている。

クリートとシューズの形状

この2種類のビンディングペダルを選ぶ際に、最も考慮すべきポイントと言っても過言ではない。まずSPD-SL用のシューズとクリートから見ていこう。SPD-SLのシューズの靴底部分はツルツルで窪みや突起がなく硬い作りになっている。この部分に比較的面積の大きいクリートを取り付けるため、クリートだけが出っ張った形状になるのだ。

従って、自転車から降りて地面を歩く際に非常に歩きにくいというデメリットがある。さらにクリートが直接コンクリートなどに接地することで、クリートにダメージを与えてしまうのだ。SPD-SLは自転車を速く漕ぐことに特化していて、歩くという行為はあまり想定されていないのだ。

一方、SPDのクリートは面積が小さい。そしてシューズにはスパイク状のモデルがあったり、クリート用の窪みが靴底にあるため、クリートが靴底よりも出っ張ることがないのが特徴だ。よって自転車から降りた時でも快適な歩行が可能になる。時にバイクを担ぐ場面があるマウンテンバイクやグラベル、または様々な目的地を徒歩で散策するサイクリングなどで効果を発揮する。

ライドスタイルに合った選択を

以上でご紹介したように、ロードバイクにはSPD-SL、それ以外がSPDとは一概には言えず、それぞれの自転車に乗る目的に適したビンディングペダル選びが必要になる。しっかり吟味した上で、より速くより快適で楽しい自転車ライフを過ごしてみてはいかがだろうか。

1 2 3