将来有望な若手選手の発掘場
前回、スプリンターたちが目玉選手揃いであることは紹介した。
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それでは「総合優勝」候補、すなわちクライマー/オールラウンダーはどうか。
こちらに関しては、現時点(5/6段階)では、正直そこまで強力な選手は集まっていないといえる。ヨーロッパからも遠く離れており、グランツールにのように難易度の高い山岳が多く登場するわけではないため、仕方がないことだろう。
ただしその分、近年のカリフォルニアは「実力はあるがまだグランツールでは頭角を現していない選手たち」の発掘場となっている。
ジュリアン・アラフィリップとジョージ・ベネット
2年前の総合優勝者ジュリアン・アラフィリップも、昨年の総合優勝者ジョージ・ベネットも、共にそれ以前から実力を知られてはいたものの、なかなか大きな勝ちには恵まれていなかった選手である。このカリフォルニアでの勝利を機に注目を集め、ステージレースでのさらなる総合成績の獲得に期待が持たれている。
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2016年のツアー・オブ・カリフォルニアのジュリアン・アラフィリップ
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2017年ツアー・オブ・カリフォルニアのジョージ・ベネット
ネイルソン・パウレス
2年前の新人賞は、当時19歳のネイルソン・パウレス(アメリカ/アクセオン・ハーゲンスバーマン)が獲得している。
彼は今年、ネオプロとしてチーム・ロットNLユンボに加入。ベネットがジロ・デ・イタリアに出場するため、彼の代わりにパウレスがエースとして活躍する可能性が高い。
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2年前のカリフォルニアで新人賞を獲得したパウレス
彼が当時所属していたチーム、アクセオン・ハーゲンスバーマン(今年はハーゲンスバーマン・アクセオンに名称変更)は、伝説の選手エディ・メルクスの息子アクセル・メルクスがGMを務めるアメリカのチームであり、過去、多くの名選手を輩出し続けてきた。ベネットもまた、このチーム出身である。
パウレスが新人賞を獲得した2年前は、新人賞1位~3位をアクセオン・ハーゲンスバーマンの選手が独占。昨年は出場権を逃したものの、今年はチーム自体がプロコンチネンタルチームに昇格し、晴れて2年ぶりの出場権を獲得した。今年もこのチームが大暴れしてくれることを期待しよう。
最強の若手エガンアルリー・ベルナル
そして、最も注目すべき選手が、チーム・スカイのエガンアルリー・ベルナル(コロンビア)。現在21歳で初のワールドツアーチーム所属だが、今年すでにツール・ド・ロマンディ総合2位など、圧倒的な成績を叩き出し続けている。この年齢にして、今大会最大の優勝候補と言っても言い過ぎではない。チームとしても全力で彼を支える布陣で挑むことになるだろう。
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着実に成績を伸ばし続けている若手最強ベルナル
アダム・イェーツ、ルーベン・ゲレイロ
アラフィリップと同年代のアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)や、元アクセオンで2年前の新人賞3位のルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、トレック・セガフレード)などの若手選手にも注目だ。
今後、各種ステージレースでの活躍が期待される未来の総合系ライダーたちの台頭を今年も見られることだろう。
アダム・イェーツ
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ルーベン・ゲレイロ
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最後に、ツアー・オブ・カリフォルニア2018のコースを確認しておこう。