クロスバイクとは、実用性を犠牲にしてでもレースで速く走る事を目的としたロードバイクと、耐久性や走破性を重視したマウンテンバイクの間を取った自転車です。元々はマウンテンバイクにロードバイク用の細いタイヤを履かせ、マウンテンバイクでも街中を速く走れる様にカスタマイズした自転車が起源と言われています。

フレーム

クロスバイクのフレームはロードバイクと比較し、上半身を起こした状態で乗ることが出来る設計となっています。よって、スピードを追求する前傾姿勢は取りづらいものの、街中を楽に快適に走る事が得意です。これまでママチャリにしか乗った事がない様な人にとっても、初めてロードバイクに乗る時ほどの違和感を感じることは無く、乗る事が出来るでしょう。

クロスバイクのベストセラーと呼ばれるGIANT ESCAPE R3など、売れ筋のモデルにおいてはフレームの素材にアルミが採用されています。軽さと耐久性を兼ね備え、価格メリットも大きい素材です。ママチャリやホームセンターで売られている安価なスポーツ自転車風のモデルと比較し、かなり軽量に作られています。

タイヤ

一般的なママチャリに採用されている26インチ(660mm)に対し、クロスバイクはロードバイクと同じ700Cと呼ばれる規格の27インチ(700mm)のタイヤサイズのモデルが主流です。タイヤ経が大きい程に回転効率が上がるため、スピードの維持が楽になります。また、タイヤの幅は28C~32Cが主流です。ロードバイクのタイヤ幅は23Cが主流なのに対し、太めのサイズを履いています。これにより、段差を乗り越えやすい、タイヤが溝にハマりづらいといった路面状況をあまり気にせずに乗る事ができます。そして、タイヤ自体はスリックタイヤと呼ばれる溝が無い物、もしくはスリックタイヤに近い溝が殆ど無い物が採用されています。路面から受けるタイヤの転がり抵抗が減り、マウンテンバイクなどの溝が深いタイヤと比較し、かなり楽にスピードを乗せて走る事が出来ます。

クロスバイクはロードバイクなどと同様にクイックリリースという、タイヤを簡単に取り外す事が出来る機構が採用されています。これにより、簡単に自転車を解体してコンパクトにする事ができるため、電車等の公共交通機関や車へ気軽に乗せて、旅行先で愛車に乗るといった楽しみ方をする事も出来ます。

ハンドル

スポーツ自転車初心者の方にとって、ロードバイクのドロップハンドルは「自分でも乗りこなせるかな…」と不安になりやすいポイントです。クロスバイクはマウンテンバイク等と同様にフラットバーと呼ばれる水平なハンドルのモデルが主流です。ドロップハンドルと比較し、坂を登る・高速で巡航する・一気に加速するといった点では劣りますが、フラットバーハンドルの方が初心者にとっては慣れやすいはずです。

クロスバイクの価格帯

クロスバイクのベストセラーモデルと呼ばれるGIANT ESCAPE R3は¥52,000(2015年モデル)です。使用されるフレーム素材やコンポーネントなどのパーツにもよりますが、クロスバイクの価格は概ね5万円〜10万円前後のモデルが多くあります。ロードバイクやマウンテンバイクは入門用モデルで10万円〜であるのに対し、値頃感が強いのも特徴です。このため、「長く続けられるかな…」という不安を持ったスポーツ自転車初心者にとって手を出しやすい価格で手に入れられる事が、近年のクロスバイク人気を牽引している要素と言えます。