「リム」から「ディスク」へ
従来モデルの「Bolide TT」からの最大の変更点は、リムキャリパーブレーキからディスクブレーキ仕様になったこと。
この変更により、主にシートステーの設計が変更を余儀なくされ、それに伴い、シートチューブ・シートポスト・チェーンステーなどもデザインを一新。

従来モデル「Bolide TT」
全体的に、通常ステージに使用される「DOGMA F」の形状にインスパイアされた設計となっている。

従来モデル「Bolide TT」
ディスクブレーキへ変更した最大のねらいは、ハンドリング性能と転がり抵抗にけるパフォーマンスの向上。

従来モデル「Bolide TT」
リムブレーキよりも優れたブレーキ力と制動性により、ハンドリング性能を向上。またディスクブレーキ仕様となり、クリアランスが広がり28Cのタイヤを新たに採用。ピナレロ曰く、これが転がり抵抗とハンドリングにおける性能Upを実現しているそうだ。
“剛性アップ”に加え、軽量化も実現
ディスクブレーキによる変更だけでなく、新モデルの「Bolide F」は、従来モデルよりも剛性を高めた設計となっている。
ボトムブラケット(BB)周辺で17%、ヘッドチューブでは7%の剛性アップ。さらにフロントフォークでは12%の縦剛性アップ、5%の横剛性アップが実現。
今年のツールでは、第1ステージが13.2km、第20ステージが40.7kmといった具合。快適性を犠牲にし、高剛性によるさらなる高速走行の実現を重要視しているのが伺える。
剛性・ハンドリング性能の向上がより重要視されているものの、フレームセットだけで170gの軽量化に成功している。第1ステージは”どフラット”だが、第20ステージはわずかながらアップダウンが伴う。この軽量化がいきてくるかもしれない。
コックピットがよりエアロに
フレーム自体による空力性能については、従来モデルよりさほど変わらないものの、コックピットでは向上が図られている。ベースバー(ドロップハンドル部分)とエクステンションバーを個別にテストした際、それぞれ2〜3%の空気抵抗の低減に成功しているそうだ。
特にエクステンションバーには3Dプリンターを利用したチタン性のものを使用。これにより「Bolide TT」は250万円を超える、”最高級バイク”になる可能性もあるとか。
また、ケーブルフル内装システムにより、ステム・トップチューブの幅は狭くすることが可能となり、空力性能の向上とともに、路面の情報をより”ダイレクト “に感じ取ることもできるそうだ。
7月1日、第1ステージは無料配信
イネオス・グレナディズが使用するPinarelloの新TTバイク「Bolide F」が正式にレースを走るのは、7月1日に開幕する「Tour de France 2022」の第1ステージ。
今年のツールは、J SPORTSが独占生中継を行う予定。基本的に有料配信となるが、第1ステージの個人タイムトライアルのみ無料配信される予定だ。
まだJ SPORTSの視聴登録していない方も、ぜひ、とりあえず生で観戦してほしい。
視聴方法はこちら!
参照:cyclingnews , CyclingWEEKLY , 「Tour de France 2022」公式サイト