2020年4月8日、ロードバイクメーカー大手のGIANT(ジャイアント)が2021年モデルとして、フルモデルチェンジした新型TCR(ティーシーアール)を発表した。
Road racing and group rides are on hold for many of us, but here’s something to look forward to—an all-new TCR range!
Class-leading stiffness, advanced aerodynamics, total control. The new TCR has it all. https://t.co/Au6PVk9GXY#TotalRaceBike #TCRTuesday pic.twitter.com/p7AQYWnX6H
— Giant Bicycles (@ridegiantbikes) April 7, 2020
グレードは全6種類、11製品の展開で幅広くラインナップする模様。1998年の登場以来、第9世代となる。
ついにベールを脱いだ新型TCR
これまでもGIANTが機材をサポートするUCIワールドチーム「CCC チーム」のメンバーが使用しており、話題になっていた新型「TCR(=Total Compact Road)」。
9世代目となりロードバイクのモデルにしては長寿だが、そのコンセプトである「トータルレースバイク」のコンセプトは変わらずのまま。クラス最高の重量剛性比を維持しながらも、前モデルより空力性能を大幅に向上し、究極のオールラウンドレーシングバイクへとさらなる進化を果たしている。
その特徴を生かした正統進化
TCRの特徴といえば軽量性と剛性の高さ。
高性能な重量剛性比を向上させるためにチューブ形状の抜本的な見直しと高度なロボットレイアップ技術による最先端のカーボン素材を採用。主要な競合他社製品(※2019 T社ロードバイク比較)よりも最大で26.3%も高いフレーム/フォーク剛性を持ち、爆発的な加速と登坂効率を実現。より優れた乗り心地を実現している。
最上級モデルであるTCR ADVANCED SL 0 DISCには新しい「ThinLineペイントプロセス」を採用。最小量の塗料を用いることで、従来の7層ペイントに比べて最大50gの軽量化に貢献。もう一つの特徴であるISP(インテグラルシートポスト)のクランプ部分には、GIANT独自の3Mプロテクターを採用してサイズ調整を行い、安全性を犠牲にすることなく軽量化を可能にしている。
オールラウンドロードの流行りも
新型TCRは空力性能でも、大きな進歩を遂げている。レースバイクとしての最後の領域である空力性能の追求はすべてのチューブ形状を分析、設計、テストして、幅広いヨー角で大幅に空気抵抗の低減に成功。また、新型TCRは実走状態で確実に機能させるため、標準的な600ccのボトルをダウンチューブとシートチューブの両方にアッセンブルした状態でエアロダイナミクスが設計されている。その結果、特にスプリント時や単独での逃げ時において、高速な走行ができるようになっている。
「トータル」な刷新はフレーム以外でも
新型TCRはフレームだけの進化ではない。新しいフレームに合わせて各種コンポーネントも新作をラインアップ。コンポーネントを手がける同社ブランド「CADEX(カデックス)」のテクノロジーを踏襲した「SLR1 42」ホイール、ドロップ部分とバートップのエアロ性能を高めた「CONTACT SLR」ハンドルバー、快適性とパワー伝達性に優れた「FLEET」ショートノーズサドルを新たに新設計。