2018年5月4日(金)からグランドツアーのひとつ、ジロ・デ・イタリアがいよいよ始まる。
自転車ロードレース観戦が初めての場合、まずどこを楽しめばいいのか分からない、という方も多いだろう。ましてやジロの場合、開催期間が3週間、21ものステージに及ぶのだから、殊更ではないだろうか。
そんな方のために、ここを抑えれば、何も知らないで観るよりも何倍も楽しく観戦できるはずだ!というポイントをご紹介したい。もちろん、ひとりひとり異なる楽しみ方があって良いのは言うまでもない。
まずは最初の一歩。初心者の方が楽しめる観戦方法のひとつとして参考になれば幸いだ。
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それでは、第101回ジロ・デ・イタリアの序盤のステージをいくつかピックアップして解説し、その見所や注目選手をプレビューしていきたいと思う。
序盤のポイントとなるステージは3つ。
- 5月5日(土) 第2ステージ
- 5月8日(火) 第4ステージ(中級山岳)
- 5月10日(木) 第6ステージ(山岳)
パート1は5月5日(土)の第2ステージの見所ポイントだ。さすがはジロ。最初から見所が盛りだくさんだ!
第2ステージ(平坦コース):5月5日(土)
第2ステージはイスラエル北部の街「ハイファ」をスタートし、地中海沿いを南下、イスラエル第2の都市「テルアビブ」にゴールする167km。
第1ステージからではないの?と思われるかもしれないが、第1ステージは個人タイムトライアルのため、この第2ステージが本格的なロードレースの始まりの日となるのだ。
【第2ステージ ポイント】
- ポイント1:ファーストアタックと逃げ集団
- ポイント2:最初の山岳賞を手にするのは誰だ!?
- ポイント3:地元イスラエルのプロコンチネンタルチームの選手に注目!
- ポイント4:敢闘賞も見逃すな!
- ポイント5:必見!集団スプリント!
- ポイント6:注目のスプリンター&発射台を抑えよう!
ポイント1:ファーストアタックと逃げ集団
スタート直後の「パレードラン」終了後、正式なスタート(アクチュアルスタート)が切られると、早速数名の選手たちが集団から飛び出して「逃げ集団」を形成する。いわゆる「ファーストアタック」というものだが、この日は真っ平なレイアウトのステージだ。
逃げた彼らが、最後まで捕まえられずに先頭でゴールする、という可能性は限りなく低い。それではなぜ、彼らはそんな無謀な逃げに乗るのだろうか。
とにかく目立て!!
理由の1つとしては、まず彼らにとって、「目立つ」ということが非常に重要だからである。
今大会は22チーム、総勢176名の選手が出場する。しかし彼らはいずれもトッププロ選手ではあるものの、その中での実力差は想像以上に大きいのだ。1つの大会で何度も勝利を手にする選手がいる一方、一度もカメラに映らず、実況に名前を呼ばれることもないまま3週間を終えてしまう選手も少なくない。
そういった選手たちは、どうするのか。
そう、勇気をもって「逃げ」に乗る。
そうすることでカメラに映って、名前を呼ばれ、少しでも目立つことで、今後の自身のキャリアを有利なものとしたり、あるいはチームのスポンサーをアピールして喜んでもらうことができるからである。(チームジャージにはスポンサーの名前が入っている)
ご覧のように、ジャージの前・横・後ろにスポンサー企業の名前がある
勝利が難しい選手たち、とくに「プロコンチネンタルチーム」と呼ばれる、一段低いランクのチームに所属する選手たちは、勝つ見込みの少ない「逃げ」にも積極的に乗っていき、目立つ必要がある。
それが彼らの仕事である。彼らにとっては、「勝つ」ことだけが仕事ではないのだ。
画像は昨年のジロ初日で逃げに乗る選手たち
とはいえ、彼らが逃げる理由はそれだけではない。
とくにこの、「最初のロードレースの日」に逃げることによって得られるメリットは、もう少し存在する。