試乗インプレッション

結論から言うと「万人受けするバイク」である。

これまでに各メーカーのハイエンドバイクを乗らせていただいた筆者だが、今回このインプレッションのために借りた期間は半年。性能を知るには十分な期間であり、長期間乗った感想を率直にお伝えする。

競技志向の方であれば「空力」や「ペダルを踏んだ時の反応、剛性」などいかに速く走ることの恩恵に着目するだろう。一方、初心者やサイクリングでの使用を目的としている場合、楽に長距離も走れて、軽くて速い。そういった要素を求める方もいるはずだ。

一般的に、多くのハイエンドのロードバイクは競技向けであり、まだ脚力の無い初心者にはオーバースペック過ぎるが故に本来の性能を感じる/引き出すことは難しい。

 

しかし、コルナゴが誇るこのハイエンドバイクV3RSは前述した乗り手が求める要素を満たしていた。

細部に空力を考慮した形状になってはいるものの、一見平坦に特化した自転車には見えないが、漕ぎ始めてスピードに乗れば、氷の上滑っているかのようにスルスルと進んでいく。

よくレース向きバイクやフラッグシップモデル(最上位モデル)は、ペダルの反応性を高める為に乗り味が”硬い”と言われている(高い剛性)。

 

その硬さはロードバイクの軽快な走りを提供してくれると同時に、長距離のライドでは命取りになることも。フレームが硬いとライドの後半に脚が疲れても硬すぎるが故に踏めなくなることも。疲労具合によって乗り手が感じるフレームの乗り心地も変わるだろう。

 

だがそんなことはなく、ライドの前も後も、乗り手が感じた乗り心地は同じ。ツール・ド・フランスを制したように、どんなに疲れていようとも、長い上りが現れようとも、淡々と走れてストレスなくペダルを回せる、そんな印象を感じた。

平坦も、上りも下りも長距離も、バイクが性能を感じて欲しいという主張が少ない、そんなバイクだ。

V3RS 製品ページ

問い合わせ:コルナゴ

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