ジロ・デ・イタリアも2週目を終え、いよいよ栄光のマリア・ローザ争いも佳境に入ってきた。今週も先週に引き続き、この1週間で活躍した注目選手たちをピックアップしていきたい。
勝利の裏には名アシストがいる
今回は、大会「最強」の選手たちに食らいつこうともがいた2名の挑戦者たち。そして彼らの勝利には、彼ら自身の力だけでなく、チームメートのアシストが重要な役割を果たしていたこと紹介する。
・サム・ベネット/クリストフ・フィングステン(ボーラ・ハンスグローエ)
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・クリス・フルーム/ワウト・プールス(チーム・スカイ)
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まずは第12ステージ。有名な「イモラ・サーキット」にゴールするレイアウトとなった今大会4度目の集団スプリントが予想され、2勝している「最強スプリンター」エリア・ヴィヴィアーニと、彼を一度退けたサム・ベネットの4度目の激突が期待された。
しかし、レースは終盤、残り35kmを切った時点で、誰もが予想していなかった展開に至ることとなる。
悪天候による集団分裂
この日、214kmの長距離コースの前半は、気持ちの良い好天に恵まれたアドリア海沿いのサイクリングとなった。
しかし、レース後半。イモラの街が近づくにつれ、曇天が選手たちの頭上を覆い、やがて激しい豪雨が彼らを襲った。強い横風と、急激な気温の変化による各選手の脚への負担が重なり、残り35kmを切った時点で集団はバラバラに分断されてしまった。
このとき、サム・ベネット率いるボーラ・ハンスグローエの選手は、ベネットを含む少なくとも6名が50名規模の第1追走グループに属していた。
一方、エリア・ヴィヴィアーニはこの30秒後方に位置する第2追走グループの中に留まってしまっていた。チームメートも2つの集団に分かれ、効果的な追走を仕掛けることができない。
第2追走グループはやがて、残り20km地点の登りの途中で合流することに成功するが、この登りの途上で肝心のヴィヴィアーニが遅れてしまう。
アシストの助けも得られず、一人イモラのサーキットを流す羽目になったヴィヴィアーニ。この日、クイックステップ・フロアーズは悪天候の餌食となり、戦うことすらできないまま白旗を上げることとなったのである。
逃げの達人を追走したジロ初出場のアシスト
最大のライバルを引き離すことに成功したボーラ・ハンスグローエ。だが、ここで安心するわけにはいかない。集団スプリントに持ち込まれたくないチームのアタッカーたちによる突発的な攻撃を抑え込み、さらにエースのベネットが勝負できる環境を整えていく必要があった。
ゴールまで残り7.7km地点に位置する4級山岳「トレ・モンティ」。この下りを利用して、2日前の第10ステージでも逃げ切り勝利を果たしていたバーレーン・メリダのマチェイ・モホリッチが集団から飛び出した。
既に前に出ていたカルロス・ベタンクールと合流し、逃げ切り勝利を狙う「逃げのスペシャリスト」。ボーラ・ハンスグローエは、これを捕まえる必要に迫られた。
第10ステージでスプリントをするマチェイ・モホリッチ
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カルロス・ペタンクール(モビスター)
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このとき、集団の先頭に陣取り、残り3.5kmから2kmを過ぎるまでの間、ほぼ1人で追走の主役となり続けたのが、チームの叩き上げドイツ人、クリストフ・フィングステン。
今年ジロ初出場、プロ勝利の経験もない地味な選手だが、この日、エースの勝利に最も貢献した選手である。
クリストフ・フィングステン
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残り2km過ぎ、ついにフィングステンも脱落してしまう。あとは、同じくエーススプリンターを抱えるEFエデュケーションファーストの選手が先頭を牽いて逃げる2人の背中を捕える。
エースの選択