「モニュメント」と呼ばれるワンデーレース
ロードレース観戦初心者の方にはまず、ご紹介した「グランツール」と呼ばれる3つのステージレースを観戦してほしい。しかし3週間も続くグランツールを見続けるのは大変、という方もいるだろう。そこでおすすめなのが1日で完結し優勝者が決まるワンデーレースだ。
本記事では特にワンデーレースの中でも、「モニュメント」と呼ばれる5つのワンデーレースをご紹介したい。
ロードレースの世界では、歴史が深く格式が高いとされるワンデーレースを「クラシック(レース)」と呼ぶことがある。そしてその中でもさらに格式が高いとされる、以下の大会は特別に「モニュメント」と呼ばれている。どれも世界トップレベルの選手のみが出場できる100年以上の歴史を誇る大会だ。
「Milan – Sanremo」 「ミラノ〜サンレモ」 |
3月開催 (イタリア北部) |
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「Ronde van Vlaanderen」 「ツール・ド・フランドル」 |
4月上旬開催 (ベルギー北部) |
「Paris – Roubaix」 「パリ〜ルーベ」 |
4月上旬開催 (フランス北部) |
「Liège – Bastogne – Liège」 「リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ」 |
4月下旬開催 (ベルギー南部) |
「Giro di Lombardia」 「ジロ・ディ・ロンバルディア」 |
10月上旬開催 (イタリア北部) |
*2021年シーズンは新型コロナウイルスの影響で多くの大会が中止・延期されている
平坦基調で多くのスプリンターが優勝を狙う「ミラノ〜サンレモ」、石畳や道幅の狭い激坂などトラップが多い「ツール・ド・フランドル」、悪路とも言える石畳をひたすら走る「パリ〜ルーベ」、激しいアップダウンが特徴の「リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ」の4大会は「Spring Classics(春のクラシック)」とも呼ばれている。シーズン開始から6・7・8月に開催されるグランツールまでの連戦だ。そして世界選手権の直後に開催されるアップダウンの激しい「ジロ・ディ・ロンバルディア」は、「Autumn Classic(秋のクラシック)」や「Classic of Dead Leaves(落ち葉のクラシック)」とも呼ばれている。
どれもコースの特徴が全く異なるレースであるため、脚質(得意分野)が異なる選手が各大会で活躍する。そのため全大会を制覇することはほとんど不可能だ。優勝者だけに注目しても様々な選手のことを知ることができるだろう。大会名の”〜”は”から”という意味。「ミラノ〜サンレモ」ならイタリアのミラノから出発しサンレモにあるフィニッシュ地点を目指すレースだ。
以上、本記事ではサイクルロードレース観戦入門として、必見の主要ロードレース大会とその種類についてご紹介してきた。今後も各レースの歴史や見所について詳しくご紹介していく予定だ。ぜひそちらもご覧いただき、ロードバイクに乗る楽しさを1つ、また1つと増やしてほしい。