トレイル用ヘルメット
未舗装路やじゃり道などアドベンチャー色の強いライドが想定される「トレイル」。路上に突起物が少ないロードや街乗りに比べ、転倒時の怪我のリスクは高まる傾向がある。とは言え、クロスカントリーやシクロクロス等の大会に向け、そのトレーニングも兼ねてトレイルライドに出かけたい方も多いだろう。従ってトレイル用ヘルメットは安全性に加え換気性などの快適さも考慮されている。
特徴その1「ロード用よりも広範囲に渡るプロテクション」
トレイル用ヘルメットは基本的にロード用に似たスポーティーな見た目をしている。一見同じように見えるが、トレイル用ヘルメットの方が、頭部のより広範囲を覆うように設計されている。障害物の多いトレイルの環境下で怪我のリスクを軽減するために、後頭部や側頭部をより下部まで覆っているのが特徴だ。
また、街乗り用ヘルメットにも見られたバイザーのような突起がフロント部分に施されている。これは日差しや雨を遮断するだけでなく、前方を走る人が激しく巻き上げた砂や土が、顔に侵入するのを防ぐ役割も持っている。そのため街乗り用ヘルメットに取り付けられたバイザーよりも前に突き出しているのが特徴的だ。
特徴その2「街乗り用よりも考慮された快適性」
トレイルは街乗りに比べ、乗る時間が長くより激しいライドが想定される。トレイル用ヘルメットはそのような環境下でも安全性を維持し快適に走行できるように設計されている。
まずは「軽量」であること。未舗装路を走ると振動が絶えず全身に伝わる。また急に体勢や視線を移動することが多い環境で、よりストレスフリーにライドを楽しむために、トレイル用ヘルメットには軽量化も施されている。
そして快適性を高めるために「換気性」も考慮されている。より長時間激しいライドで頭部を涼しくドライに保つため、ロード用ヘルメットと同様に多くの穴が開けられている。これらは綿密な計算の基に設計されているもので、上位モデルには風洞実験を用いて分析されているものもある。
以上、本記事ではヘルメットを「ロード」「街乗り」「トレイル」の3つの用途に分けてその特徴と一緒にご紹介してきた。それぞれの乗り方に合ったヘルメットを選び、安全に、快適にライドを楽しんでほしい。