ロードバイクのホイールを選ぶ時、注目する点は何だろうか。
リムハイトやハブの回転性能などに注目する方は多いかもしれないが、「スポーク」に重きを置く方は少ないのではないだろうか。
初心者が見落としがちな、ホイール性能に深く関わるスポークとその組み方のパターンについて、それぞれ比較してどのような特徴があるのか。
多種多様な組み方
スポークの組み方には困惑するほど多様な組み方やその名称があるが、一般的なものは「ラジアル組み」「タンジェント組み」「◯本組み」の3つだ。
ラジアル組み
「ラジアル組み」とはスポークが交差せずに、中心のハブから放射状にリムへと組まれている。スポークの長さが最短になるため、後述するタンジェント組と比較しても重量を軽くすることができる。
しかし、ペダルを漕ぐ力など強い負荷がかかる後輪にはラジアル組は不向きで、前輪に使用するのが一般的な組み方だ。
4本組み(2クロス)
「4本組み」は別名「2クロス」とも呼ばれており、ハブの穴は24個もしくは16個ある。
「交差するスポーク同士がハブ穴で数えて4つ目同士で組む」ことから4本組みと呼ばれている。2クロスとも呼ばれる理由は、全てのスポークを組み上げた時にスポーク1本1本が他の2本のスポークとだけ交わるところから来ている。
そのほか「6本組み(3クロス)・8本組み(4クロス)」と呼ばれる組み方では、ハブ穴の数がそれぞれ「28もしくは32個・36個」と多くなる。もちろん使用するスポークの本数も増える。
また、スポークの本数が増えていくにつれ、対となるスポークとの間隔が広がっていく。スポーク1本1本の長さと重量は増えていくものの、振動吸収性は向上しスポークの緩みも少なくなる。8本組みのホイールは最も頑丈かつ乗り心地の良いホイールということだ。
タンジェント組み
スポークが交差している組み方。パワー伝達に適しているだけでなく、高い衝撃吸収性から多くのホイールに採用されている組み方だ。
4本組みや6本組みなどのように「◯本組み」と呼ばれる名称は、タンジェント組みにおけるスポークの使用本数の違いでの名称だ。8本組みと呼ばれる組み方など様々である。