ロードバイクやクロスバイクを初めて購入して走行に慣れてきた後、パーツをアップグレードして走りの質をより向上したいと思う方は多いだろう。そんな中、ペダルのアップグレードの選択肢としてはシマノから販売されているビンディングペダル「SPD-SL」と「SPD」の2種類がある。

そこで今回は、自転車を購入時のものからアップグレードするためのパーツとして、1つの選択肢である「ペダル」について、その違いとともに解説していく。

フラットペダルからビンディングペダルへ

まず、ペダルは「フラットペダル」と「ビンディングペダル」の2つに大別される。フラットペダルとは、ペダルと靴を固定しないペダルのこと。いつでもペダルから靴を離したり、ペダルを踏む靴の場所(つま先からかかとまで)を自由に移動できるのが特徴だ。

一方ビンディングペダルとは、ペダルと靴を固定するペダルのこと。速くペダルを回転させる際などに、ペダルと靴を固定することで漕ぐ力の無駄を削減することができる。さらにペダルと靴を固定しているということは、一度ペダルを下方向に踏んだ後でも、足を上方向へ引っ張り上げることで力をペダルに加え続けられるということだ。

簡単に言うと、フラットペダルでは最上部から最下部までの180度しか力を加えられないのに対して、ビンディングペダルでは360度力を加え続けることができ、片足だけでもペダルを漕ぎ進んで行けるということだ。

このメリットが発揮される具体例として登り坂が挙げられる。左右の足で交互にペダルを踏んで登っていくだけでなく、片方の足でペダルを踏みながら、もう片方の足でペダルを上に引くことで両足の力をペダルからチェーン、そしてホイールに伝達できる。踏み足と引き足を使うことでより早く坂道を登っていくことができるのだ。

次に以上のメリットから、ビンディングペダルへのアップグレードを検討している方へ、その種類についてシマノから販売されているモデルを例にご紹介したいところだが、その前に、一度ビンディングペダルを使用する際に必要な3つのパーツについておさらいしよう。

3つの必須パーツ

ビンディングペダルを使用するためには、3つのパーツが必須になる。

参照:Shimano

1つ目はビンディングペダルそのものだ。2つ目はビンディングペダルを使用するための専用のビンディングシューズ。そして最後にそのシューズをペダルに固定するための「クリート」と呼ばれるパーツ。この3つのパーツを揃えて初めて、ビンディングペダルが使用できるのだ。

では、以上3つの必須パーツを踏まえた上で「SPD-SL」と「SPD」の違いについて見ていこう。

「SPD-SL」と「SPD」

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